三国人(第三国人)という言葉を辞書(三省堂 大辞林)で調べると、

[1] 当事国以外の国の人。
[2] 第二次大戦前および大戦中、日本の統治下にあった諸国の国民のうち、日本国内に居住した人々の俗称。敗戦後の一時期、主として台湾出身の中国人や、朝鮮人をさしていった。三国人。

とあります。
石原知事が「法律用語だ」と言っているのは[1]を指してのことでしょうが、この言葉が[2]のような特殊な使い方をされたことは終戦時12才だった石原氏より上の世代なら皆知っています。当時立場が曖昧だった在日朝鮮人や在日台湾系中国人が、例えばいつも大混雑していた国鉄では進駐軍と同様の扱いで、日本人は乗れない車両に乗れたり、一部の連中が焼け跡闇市を支配し横暴に振る舞った(彼等がGHQの黙認をバックに解放気分を味わい、増長した面があったことは確かでしょう)ことを見て、日本人のかなりの部分が反感や怨嗟や侮蔑の気持ちを込めて、この言葉を使ったことを疑う余地はありません。余談ですが山口組三代目田岡一雄はこうした日本人の感情を背景に、動きの鈍い警察に代わって彼等と抗争することにより一種のヒーローとなり、勢力を拡大したと言われています。
しかし時は流れ、世の中も変わりました。過去を引きずり、新たな差別を生みかねないこのような言葉を、今の時代にまして首都の知事が使うべきではありません。

石原氏はこの言葉の持つ時代背景などは百も承知で、差別的な意味合いを込めて発言しているに違いないのに、一方で「法律用語だ」と言って逃げようとするのは卑怯で情けない態度です。