海外出張:知事、15回で2億4355万円 共産党都議団「近県より突出」 /東京

 共産党都議団は15日、石原慎太郎知事の海外出張にかかった費用(随行者分含む)が01年6月から今年6月までの15回で計2億4355万円に上るとの調査結果を公表した。うち6回の出張では、石原知事の宿泊費は条例が規定する額の1・61〜3・27倍になっていた。共産党は「近県の知事と比べても突出して費用が高額で、都民の理解を得られない」と批判している。
 共産党は、石原知事が99年4月の就任以来行った海外出張19回の費用や目的などを調査。01年1月以前の4回の出張は書類の保存年限が過ぎていた。残り15回のうち費用が多額な6回について、情報公開請求して詳細な内訳を分析した。
 調査結果によると、15回の出張のうち最も費用が多額だったのは、知事を含め18人が参加した今年5月28日〜6月3日のロンドンなどの視察で、計3573万円を支出した。参加者1人当たりの費用は198万円で、神奈川、埼玉、千葉各県知事の同程度期間の欧米出張での47万〜102万円を大きく上回った。
 詳細を情報公開請求した6回の出張では、石原知事は常に、知事給料条例に規定された宿泊料を大きく上回る料金のホテルに宿泊していたことが判明した。01年9月の米国出張(5泊7日)の際は、条例規定額(1泊4万200円)の3・3倍にあたる1泊13万1500円のホテルに宿泊。都側は「セキュリティーの確保や要人との会見で礼を失しないため」と理由を説明している。
 また、随行した政務担当特別秘書の航空運賃でも、機内での打ち合わせなどを理由に、条例が規定するビジネスクラスでなくファーストクラスを利用していた。さらに、6回のうち2回に同行した夫人の宿泊費なども公費で賄われていた。
 条例規定額を超える宿泊料支出を巡っては、今年6月の東京地裁判決が、01年9月の米国出張に関し「事前に都人事委員会との協議をしていなかった」と判断して、石原知事に差額分の返還を命じている。これに対し都は「状況に応じて増額は可能で、人事委との事前協議は不要」と主張し控訴して争っている。
 このほか共産党は、旅行業者や通訳を特命随意契約で選んでいる点を指摘し、「経緯が不明朗」と批判した。【北村和巳】

毎日新聞2006年11月16日朝刊