米中間選挙:有力者の相次ぐスキャンダル…共和党に重く

 【ワシントン及川正也】米中間選挙で与党共和党に重くのしかかっているのが、同党有力者の相次ぐスキャンダルだ。米国民の政治不信は過去10年では最も強い状態で、民主党にとっては格好の攻撃材料となり共和党を痛撃している。

 投票日4日前の3日、大物ロビイストとの癒着が明るみに出て、不出馬を表明していた共和党のネイ下院議員が突然、辞職した。職権を利用して元ロビイストに便宜を図る見返りに旅行や飲食などの接待を受け、共謀罪などに問われている。

 ネイ前議員は先月、有罪を認めたが、議員辞職は拒否。しかし、前議員の選挙区があるオハイオ州では、同党の後継候補を含めた下院の3選挙区と上院選、知事選でいずれも苦戦。不祥事の影響が州全体に広がる「ドミノ現象」も起き党内からも辞職圧力が強まっていた。

 ネイ前議員辞職を受け、民主党のぺロシ下院院内総務は3日、声明を発表し、「共和党の腐敗体質は国民に大きな損失を与えている」と非難。「民主党は高潔さと礼節を下院に取り戻す新たな方策を示すことができる」と訴えた。

 05年1月からの下院議員の辞職、死亡は8人。うち共和党は6人だが、スキャンダルでの引責辞職が4人を占める。この元大物ロビイストとの関係が疑われている共和党議員も20人前後に及ぶ。1日のCBSテレビとニューヨーク・タイムズ紙の調査では70%が現職交代を求め、政府不信は94年の中間選挙で当時の与党・民主党が大敗して以来の根深さだ。

 元ロビイストの事件に加え、辞職したフォーリー前下院議員の性的スキャンダルの衝撃も大きく、ワシントン・ポスト紙はスキャンダルで下院で共和党は最低15議席が危険にさらされ、うち9議席は民主党に奪われる可能性が高いと報じた。民主党は15議席を上積みすれば同院で多数派に転じるが、同紙は「スキャンダル問題だけで共和党は少数派転落のふちにいる」と指摘した。

毎日新聞 2006年11月4日 17時19分